第9回 物質・デバイス領域共同研究拠点活動報告会及び平成30年度 ダイナミック・アライアンス成果報告会を開催しました
2019.08.21
2019年 7月1日(月)~2日(火)、大阪千里ライフサイエンスセンター(5Fライフホール)において「第9回物質・デバイス領域共同研究拠点活動報告会」及び「平成30年度ダイナミック・アライアンス成果報告会」を、〜進化し続ける共同研究拠点組織〜という副題を設けて開催しました。
1日目は、来賓各位を含めた197名の参加を得て、大阪大学産業科学研究所の菅沼克昭所長からの開会挨拶により開始しました。来賓挨拶として、文部科学省研究振興局学術機関課の西井知紀課長より、ネットワーク型の特徴を活かした本拠点の活動は、研究の基盤強化と新たな学術研究の展開に大きく寄与するものであり、国立大学の機能強化に貢献する組織・制度へと更なる進化を遂げることに期待を込めたご挨拶をいただきました。続いて、当番校挨拶として大阪大学の鈴木敏之理事(八木康史 同大学理事・副学長代理)より、共同研究拠点事業とダイナミック・アライアンス事業との密接な連携による活動実績の紹介があり、大阪大学及び他大学の理念に共通する事業推進への期待、さらに関係機関と関係者からの活動支援に対する御礼が述べられました。
各セッションに先立ち、拠点本部長である東北大学多元物質科学研究所の村松淳司所長より、共同研究拠点事業が、ダイナミック・アライアンス事業と密接に連携しながら発展した経緯及び概況・実績について説明があり、人材・若手育成としてCOREラボ課題の一層の充実、国際連携等の独自の重点的な取り組みについての紹介のほか、今回のセッションについて説明がありました。次いで、アライアンス運営委員会委員長である大阪大学産業科学研究所の関野徹教授より、ダイナミック・アライアンス事業について、分野を跨いでダイナミックに展開する先駆的で濃密な独自共同研究プログラムの紹介を通して活動概要及び実績の報告がありました。
1日目冒頭の『ダイナミック人材展開・若手育成セッション』では、COREラボ共同研究PIの自然科学研究機構・基礎生物学研究所の村田隆准教授より、「生体内部の細胞分裂ダイナミクスを解明するための顕微鏡構築」と題し講演がありました。共同研究受入研究所である電子研のほか、多元研や協賛企業等の幅広い人材交流による共同研究の結果、これまでにない独自の顕微鏡開発に成功した実績について発表がありました。
続いて、COREラボ共同研究PIの東北大学多元物質科学研究所の奥山大輔助教より「量子ビームによる反転対称性が破れた磁性体の磁気的・電気的特性発現機構の解明」と題した講演がありました。研究成果発表のほか、COREラボ研究課題の特徴である長期滞在型、研究費用の使途範囲等の利点の説明があり、さらなる成果創出のため、COREラボ共同研究へのサバティカル制度導入などの提案がありました。
次に、岡山大学の仁科勇太研究教授(COREラボ共同研究 研究分担者)より「グラフェン系材料の開発に化学+αで挑む」と題した講演があり、オープンイノベーションの成功例と近年に社会実装が期待される材料開発としてメディアで取り上げられた実績の紹介がありました。また、COREラボ参画により各専門分野を生かした共同研究、幅広い材料開発の展開が可能となったことについて報告がありました。
講演合間のポスターセッションは、隣接するサイエンスホールで行いました。
本拠点と緩やかな連携協定を締結している「放射線災害・医科学研究拠点」、「生体医歯工学共同研究拠点」の紹介及び研究成果のほか、共同研究課題の発表として、COREラボ共同研究課題12件、展開共同研究課題(B)12件、展開共同研究課題(A)7件、次世代若手共同研究課題6件、アライアンスG1グループ15件、同G2グループ18件、同G3グループ21件、アライアンス横串サブグループ2件の合計97件のポスター発表があり、活発な議論が行われました。
ポスターセッション後は、『研究力強化セッション』より、「超ハイブリッド材料技術開発(ナノレベル構造制御による相反機能材料技術開発)に参画して」と題し、東北大学多元物質科学研究所の蟹江澄志教授より講演がありました。
続いて、本年度より新設された「物質・デバイス共同研究賞」受賞講演として、大阪産業技術研究所の丸山純研究主任より「炭素材料への単原子金属と規則構造の導入に関する研究」、東京理科大学の根岸雄一教授より、「合金クラスターの原子精度での精密合成と幾何構造」と題した講演がありました。
『国際連携セッション』からは、北海道大学電子科学研究所の中村貴義教授より「超分子カオチンとMnCr-oxalate錯体に基づく強磁性極性結晶の開拓」について、主として中国研究機関との共同研究の実績と成果を紹介する講演がありました。
初日講演終了後には、「第1回物質・デバイス共同研究賞」授賞式を行いました。
表彰制度設置後、初回となる今回は、全10件の受賞があり、研究代表者へ拠点本部長である東北大学多元物質科学研究所の村松淳司所長より表彰状が授与されました。
続く意見交換会では、163名の参加があり、主として産業界からの外部有識者や共同研究拠点外部委員の先生方を交えて幅広い分野間での情報交換が活発に行われ、有意義な会合となりました。
2日目は、200名の参加者がありました。
冒頭の『異分野融合セッション』では、「AIと物質・デバイスの融合を目指すアライアンス共同研究」と題し、大阪大学産業科学研究所の谷口正輝教授より講演があり、AIによる解析技術を用いて、細菌・ウィルス検査感染症診断から工業用途等の幅広い実用化をベンチャー企業の起業により実現している実績及び、産学連携のもとで理想的な技術革新を目指している現況の紹介がありました。次に、東京工業大学化学生命科学研究所の福島孝典教授より「有機物質化学のブルーオーシャンを目指すアライアンス共同研究」と題した講演がありました。続いて、大阪大学産業科学研究所の永井健治教授より「生命医学研究の特異点(シンギュラリティ)を目指すアライアンス共同研究」と題して、アライアンス共同研究が深く関与して開始された新学術領域研究に関する講演がありました。
ポスターセッション後の『多様な共同研究拠点セッション』では、東北大学多元物質科学研究所の高田昌樹教授より「次世代3GeV放射光計画の概要」と題し、東北大学におけるSLIT-Jの紹介がありました。次いで、「放射線災害・医科学研究拠点」を形成する広島大学原爆放射線医科学研究所の田代聡所長(同拠点本部長)から「物質・デバイス領域と放射線災害・医科学領域の緩やかな連携による新しい研究展開」と題し、同拠点の活動概要と、ネットワーク型共同研究拠点の研究力向上を目指して締結された本拠点との連携に関する特別講演がありました。
最後に、外部有識者講評として、大研医器株式会社の山田雅之副社長より、実用化を意識した研究成果発表に高い評価を頂くと共に、取り組むべき課題として、研究予算額の改善、産学連携における利便性向上(産業分野での分かり易い応用例を中小企業も含めて情報発信)、国際連携に求めることの明確化があるとのご指摘を頂き、尚一層の研究発展に大きな期待感を抱いているとのお言葉を頂戴しました。
閉会挨拶では、拠点専門委員会委員長である東北大学多元物質科学研究所の垣花眞人教授が、本拠点の組織運営の工夫及び、大学教員・技術職員・事務職員が積極的に協働する運営体制の構築について説明するとともに、本報告会での関係者各位へ謝辞を述べ、盛況のうちに2日間の日程を終了しました。
なお、報告会の様子は開催両日ウェブ中継で配信し、各日共に約100件前後のアクセスがありました。
本報告会での活発な議論及び意見交換において、幅広い分野の多くの関係者の皆様から、本拠点活動がますます有意義な事業に進化し続けることに大きな期待の声が寄せられました。
1日目は、来賓各位を含めた197名の参加を得て、大阪大学産業科学研究所の菅沼克昭所長からの開会挨拶により開始しました。来賓挨拶として、文部科学省研究振興局学術機関課の西井知紀課長より、ネットワーク型の特徴を活かした本拠点の活動は、研究の基盤強化と新たな学術研究の展開に大きく寄与するものであり、国立大学の機能強化に貢献する組織・制度へと更なる進化を遂げることに期待を込めたご挨拶をいただきました。続いて、当番校挨拶として大阪大学の鈴木敏之理事(八木康史 同大学理事・副学長代理)より、共同研究拠点事業とダイナミック・アライアンス事業との密接な連携による活動実績の紹介があり、大阪大学及び他大学の理念に共通する事業推進への期待、さらに関係機関と関係者からの活動支援に対する御礼が述べられました。
各セッションに先立ち、拠点本部長である東北大学多元物質科学研究所の村松淳司所長より、共同研究拠点事業が、ダイナミック・アライアンス事業と密接に連携しながら発展した経緯及び概況・実績について説明があり、人材・若手育成としてCOREラボ課題の一層の充実、国際連携等の独自の重点的な取り組みについての紹介のほか、今回のセッションについて説明がありました。次いで、アライアンス運営委員会委員長である大阪大学産業科学研究所の関野徹教授より、ダイナミック・アライアンス事業について、分野を跨いでダイナミックに展開する先駆的で濃密な独自共同研究プログラムの紹介を通して活動概要及び実績の報告がありました。
1日目冒頭の『ダイナミック人材展開・若手育成セッション』では、COREラボ共同研究PIの自然科学研究機構・基礎生物学研究所の村田隆准教授より、「生体内部の細胞分裂ダイナミクスを解明するための顕微鏡構築」と題し講演がありました。共同研究受入研究所である電子研のほか、多元研や協賛企業等の幅広い人材交流による共同研究の結果、これまでにない独自の顕微鏡開発に成功した実績について発表がありました。
続いて、COREラボ共同研究PIの東北大学多元物質科学研究所の奥山大輔助教より「量子ビームによる反転対称性が破れた磁性体の磁気的・電気的特性発現機構の解明」と題した講演がありました。研究成果発表のほか、COREラボ研究課題の特徴である長期滞在型、研究費用の使途範囲等の利点の説明があり、さらなる成果創出のため、COREラボ共同研究へのサバティカル制度導入などの提案がありました。
次に、岡山大学の仁科勇太研究教授(COREラボ共同研究 研究分担者)より「グラフェン系材料の開発に化学+αで挑む」と題した講演があり、オープンイノベーションの成功例と近年に社会実装が期待される材料開発としてメディアで取り上げられた実績の紹介がありました。また、COREラボ参画により各専門分野を生かした共同研究、幅広い材料開発の展開が可能となったことについて報告がありました。
講演合間のポスターセッションは、隣接するサイエンスホールで行いました。
本拠点と緩やかな連携協定を締結している「放射線災害・医科学研究拠点」、「生体医歯工学共同研究拠点」の紹介及び研究成果のほか、共同研究課題の発表として、COREラボ共同研究課題12件、展開共同研究課題(B)12件、展開共同研究課題(A)7件、次世代若手共同研究課題6件、アライアンスG1グループ15件、同G2グループ18件、同G3グループ21件、アライアンス横串サブグループ2件の合計97件のポスター発表があり、活発な議論が行われました。
ポスターセッション後は、『研究力強化セッション』より、「超ハイブリッド材料技術開発(ナノレベル構造制御による相反機能材料技術開発)に参画して」と題し、東北大学多元物質科学研究所の蟹江澄志教授より講演がありました。
続いて、本年度より新設された「物質・デバイス共同研究賞」受賞講演として、大阪産業技術研究所の丸山純研究主任より「炭素材料への単原子金属と規則構造の導入に関する研究」、東京理科大学の根岸雄一教授より、「合金クラスターの原子精度での精密合成と幾何構造」と題した講演がありました。
『国際連携セッション』からは、北海道大学電子科学研究所の中村貴義教授より「超分子カオチンとMnCr-oxalate錯体に基づく強磁性極性結晶の開拓」について、主として中国研究機関との共同研究の実績と成果を紹介する講演がありました。
初日講演終了後には、「第1回物質・デバイス共同研究賞」授賞式を行いました。
表彰制度設置後、初回となる今回は、全10件の受賞があり、研究代表者へ拠点本部長である東北大学多元物質科学研究所の村松淳司所長より表彰状が授与されました。
続く意見交換会では、163名の参加があり、主として産業界からの外部有識者や共同研究拠点外部委員の先生方を交えて幅広い分野間での情報交換が活発に行われ、有意義な会合となりました。
2日目は、200名の参加者がありました。
冒頭の『異分野融合セッション』では、「AIと物質・デバイスの融合を目指すアライアンス共同研究」と題し、大阪大学産業科学研究所の谷口正輝教授より講演があり、AIによる解析技術を用いて、細菌・ウィルス検査感染症診断から工業用途等の幅広い実用化をベンチャー企業の起業により実現している実績及び、産学連携のもとで理想的な技術革新を目指している現況の紹介がありました。次に、東京工業大学化学生命科学研究所の福島孝典教授より「有機物質化学のブルーオーシャンを目指すアライアンス共同研究」と題した講演がありました。続いて、大阪大学産業科学研究所の永井健治教授より「生命医学研究の特異点(シンギュラリティ)を目指すアライアンス共同研究」と題して、アライアンス共同研究が深く関与して開始された新学術領域研究に関する講演がありました。
ポスターセッション後の『多様な共同研究拠点セッション』では、東北大学多元物質科学研究所の高田昌樹教授より「次世代3GeV放射光計画の概要」と題し、東北大学におけるSLIT-Jの紹介がありました。次いで、「放射線災害・医科学研究拠点」を形成する広島大学原爆放射線医科学研究所の田代聡所長(同拠点本部長)から「物質・デバイス領域と放射線災害・医科学領域の緩やかな連携による新しい研究展開」と題し、同拠点の活動概要と、ネットワーク型共同研究拠点の研究力向上を目指して締結された本拠点との連携に関する特別講演がありました。
最後に、外部有識者講評として、大研医器株式会社の山田雅之副社長より、実用化を意識した研究成果発表に高い評価を頂くと共に、取り組むべき課題として、研究予算額の改善、産学連携における利便性向上(産業分野での分かり易い応用例を中小企業も含めて情報発信)、国際連携に求めることの明確化があるとのご指摘を頂き、尚一層の研究発展に大きな期待感を抱いているとのお言葉を頂戴しました。
閉会挨拶では、拠点専門委員会委員長である東北大学多元物質科学研究所の垣花眞人教授が、本拠点の組織運営の工夫及び、大学教員・技術職員・事務職員が積極的に協働する運営体制の構築について説明するとともに、本報告会での関係者各位へ謝辞を述べ、盛況のうちに2日間の日程を終了しました。
なお、報告会の様子は開催両日ウェブ中継で配信し、各日共に約100件前後のアクセスがありました。
本報告会での活発な議論及び意見交換において、幅広い分野の多くの関係者の皆様から、本拠点活動がますます有意義な事業に進化し続けることに大きな期待の声が寄せられました。